彼女の献身的な看護と時に厳しいリハビリは、笙吾に再び生きる勇気を取り戻させた。
そんなふたりは時がたつにつれ、言葉を超えて心が通じ合う特別な存在になっていた。
しかし、幸せの時間はあまりにもはかなく短かった…。笙吾は車にはねられ、奏の目の前で息絶えてしまったのだ。 受け止めがたい事実に奏はただ泣き崩れる事しか出来ないでいた…。
市電の車庫で目覚める笙吾。不思議な事に体には傷一つなかった。 しかも視力が回復し、声も出せるようになっていた。実は流星のチカラによって数日間だけ笙吾は再び生命を与えられたのだ。
但し、生前とは違う全く別の人間として。誰も彼が笙吾だとはわかる人間はいなかった。あの奏でさえも…。
死んでしまった悲しみと、生まれ変わった喜びが入り混じり苦悩する笙吾。
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